浅草の2大どぜう店「駒形どぜう」と「飯田屋」を比較してみますね。知名度は駒形どぜうの方が圧倒的に高いので「浅草のどぜう屋に行ったー!」という満足感が得られると思います。一方、飯田屋は地元の通にも支持されているので、知ってる人は「おっ、シブイね」と言ってくれるでしょう。
お味は正直に言うと、ほとんど差はないというのが実感です。タレの味は、駒形どぜうがやや辛口、飯田屋はやや甘口です。飯田屋は薄味と濃い味の2種類の追加タレがあります。両店の味には微妙な差しかありませんので、好みの問題でしょう。それより、鍋が浅いためあっという間に煮詰まりますので、どの段階で食べるか、タレを追加するか薄めるかで、味に大きな違いが出てきます。肝心のどじょうは、両店とも厳選されたものを上手に臭みを抜いているのでしょうが、やはり微かに川魚らしさが残ります。それを、タレ、ネギ、ゴボウ、山椒、七味で打ち消していただくものなのです。薬味を入れれば臭みは全く感じません。うまさが凝縮したような濃厚なお味なので、ビールやご飯がすすみます。
細かいことを言えば、価格は駒形どぜうがちょい高め。ただし、飯田屋の昼定食は土日祝日には提供されませんので、単品で鍋やごはんなどを頼まなくてはなりません。また、駒形どぜうはどじょうが丸ごと入る鍋しかありませんが、飯田屋にはほねぬき鍋もあります。柳川鍋はどちらの店も開きです。混み具合は、駒形どぜうの方が入口に人が並んでいる場合が多いです。
雰囲気は、より江戸情緒を感じる駒形どぜうが上です。ちなみに駒形どぜうは、一階の広間は冷房なし+七輪鍋なので、暑い日には大量の汗をかきます。“江戸っ子は夏を乗り切るのに、逆に熱いどじょうを食べる”という文化を大切にしているようです(2階のお座敷は冷房あり)。飯田屋はガスコンロを使用しますが、食べるスピードに合わせて火を調整して鍋の上がりをコントロールできるので、これは意外と実用的でした。もっとも、駒形どぜうでは鍋が煮詰まらないよう、「ネギ投入? ゴボウ注文? タレ追加?」とお楽しみ感があっていいかもしれません。あなたも機会があれば食べ比べてみてはいかが?面白いイベントになりますよ!
駒形どぜう
飯田屋
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